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『片目だけの恋』
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作品紹介
watanabemamoru

「映画の魔法を信じるかい?」

「九才のとき、わたしの心はとうに女でした……」
と少女は言う。
恋をしたから女になったのではない。女だったから恋をしたのだ、と。
そして、少女は愛する男と二人きりになるために超えてはいけない一線を飛び超える。
「見て、わたしの目、鏡にして。わたしが好きなのは、今、この目に映っているあなたなの……」
ロウソクのゆらめく炎を前にして眼帯の少女は魔女へと変貌する。
だが、一体、そんな少女がこの世のどこにいるというのか?

渡辺護の監督デビュー作『あばずれ』(65)は、少女が父を自殺に追いやった者たちに復讐する物語だった。
純真無垢な存在が過酷な現実とぶつかることで映画的な瞬間が生まれる――渡辺護にとって、「少女」は重要なテーマの一つとなった。
『16才の経験』(70)、『痴漢と女高生』(74)、『少女を縛る!』(78)、『聖処女縛り』(79)、『少女縄化粧』(79)、『セーラー服色情飼育』(82)……。
そして、新作『片目だけの恋』で渡辺はあらためて「少女」というテーマに取り組んだ。

『片目だけの恋』のシナリオは八年前にできあがっていた。
だが、一体、主人公・ユカを演じられる少女はどこにいるのか?
東てる美、美保純、可愛かずみらの初主演作を撮ってヒットさせてきた渡辺護は、自分の直感を信じて、
少女が目の前に現れるのを待ち続けた。
そして、2003年、渡辺は一人の少女とめぐりあい、この娘だ!と直感する。
小田切理紗である。

2003年10月、『片目だけの恋』はクランクインした。
撮影は、長年、渡辺護とコンビを組み続けてきた名カメラマン・鈴木史郎。
助監督は、ここ数年の渡辺護作品を支えてきた佐藤吏。
出演は、ユカが恋する井上役に、主に舞台で活躍してきた田谷淳。
井上の妻・理恵子役に、渡辺の『若妻快楽レッスン 虜』(01)で主演した里見瑤子。
そして、ユカの父親役に、『セーラー服色情飼育』で少女を偏愛する大学講師を演じた下元史朗。
信頼できるスタッフ・キャストのサポートを受けて、渡辺護は小田切理紗が潜在的に持っている魅力を最大限引き出すことのみに専心した。

たった一本の映画が一人の無名の新人にスターとしての輝きを与える――。
かつて映画にはそんな魔法の力があった。
忘れ去られつつあるその映画の魔法を、今、カツドウ屋・渡辺護が甦らせようとしている。
はたして、魔法は復活したのか?
その結果は、あなた自身の目でご確認を。